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契約書に「瑕疵」は使ってはいけない?民法改正後のリスクと「契約不適合」への書き換えマニュアル

kaomojiouji

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👤 この記事の著者
杉山 誠(すぎやま まこと)
建設業専門 行政書士 / 契約実務コンサルタント

【実績】 中小建設業者を中心に年間200件以上の契約書リーガルチェックを担当。難しい法律用語を現場目線で解説することに定評がある。
【スタンス】 「忙しい兼任担当者の味方」。法律論よりも「明日から使える実務」を優先する頼れるアドバイザー。

「久しぶりに契約書を見直したら、『瑕疵担保責任』のままだった…これって法的にマズイ?」
そんなふうに焦って検索したあなたへ。

2020年の民法改正から時間が経ちましたが、未だに古いひな形を使い続けている企業は少なくありません。
結論から申し上げます。「瑕疵」という言葉が残っていても、契約自体は無効ではありません。

しかし、そのまま使い続けることは、会社にとって「時限爆弾」を抱えるようなものです。いざトラブルになった時、古い言葉のせいで不利な解釈をされ、損害を被るリスクがあるからです。

この記事では、建設業専門の行政書士である私が、なぜ「瑕疵」を使い続けてはいけないのかというリスクと、コピペで使える「契約不適合責任」への修正条文をわかりやすく解説します。


「瑕疵」のままでも契約は有効?使い続ける2つのリスク

まず安心してください。「瑕疵」と書いてあるからといって、明日すぐに契約が無効になるわけではありません。当事者間で意味が通じていれば、契約は成立します。
しかし、以下の2つのリスクがあるため、早急な修正を推奨します。

リスク1:解釈のズレによるトラブル

旧民法の「瑕疵」には、「隠れたる(買主が注意しても気づかなかった)」という要件が含まれていました。
もし契約書に「瑕疵」という言葉が残っていると、トラブルになった際、相手方から「これは旧法の『隠れたる瑕疵』を意味する特約だ」と主張される可能性があります。
その結果、本来なら責任を負うべきケースでも、「隠れていなかった(気づけたはずだ)」として責任逃れをされたり、逆に過大な責任を負わされたりするリスクがあります。

リスク2:対外的な信用リスク

取引先、特に大手企業やコンプライアンスに厳しい会社から見ると、「法改正から数年経つのに、契約書も直していないのか」と、管理体制を疑われる原因になります。
「プロ意識の欠如」と見なされることは、ビジネスにおいて大きな損失です。

何が変わった?「瑕疵」と「契約不適合」の決定的な違い

では、具体的に何が変わったのでしょうか?
ポイントは「隠れた」要件の撤廃「権利の拡大」です。

新法では、「隠れていたかどうか」ではなく、「契約書に書かれた通りの品質・数量か(契約不適合か)」が判断基準になります。
また、発注者(買主)は、修理を求めたり(追完請求)、直らない場合に代金を減らしたり(代金減額請求)する権利が明記されました。

【コピペOK】建設業向け「瑕疵→契約不適合」修正ビフォーアフター

それでは、実際に契約書をどう直せばいいのか、建設工事請負契約書を例に見ていきましょう。
単に「瑕疵」を「契約不適合」に置換するだけでは不十分です。

修正前(旧民法対応)

(瑕疵担保責任)
第〇条 乙は、本件工事の目的物に隠れたる瑕疵があったときは、甲に対してその損害を賠償しなければならない。

修正後(新民法対応)

契約不適合責任
第〇条 乙は、本件工事の目的物が種類、品質又は数量に関して契約の内容と適合しないもの(以下「契約不適合」という。)であるときは、甲に対してその修補、代替物の引渡し(追完請求)、損害賠償の請求、契約の解除又は代金の減額に応じなければならない。

修正のポイント:

  1. タイトルを「契約不適合責任」に変更。
  2. 「隠れたる瑕疵」を削除し、「種類、品質又は数量に関して契約の内容と適合しないもの」と定義。
  3. 責任の内容に「修補(修理)」「代金減額」を追加。

ここだけはチェック!修正漏れを防ぐ「最低限のチェックリスト」

最後に、修正漏れがないか確認するためのチェックリストを用意しました。
法務担当者として、最低限これだけは押さえておきましょう。


📝 契約書修正チェックリスト

  • [ ] タイトル: 条文のタイトルが「瑕疵担保責任」のままになっていませんか?
  • [ ] 用語: 本文中の「瑕疵」が全て「契約不適合」に置き換わっていますか?
  • [ ] 隠れた: 「隠れたる」という文言が残っていませんか?(削除必須)
  • [ ] 権利: 「追完請求(修補など)」や「代金減額請求」について触れていますか?
  • [ ] 期間: 通知期間(不適合を知ってから1年以内など)の設定は適切ですか?
    • ※建設業法や品確法が適用される場合、特約で期間を定めていることが多いので注意が必要です。

まとめ:契約書は会社の防具。正しい言葉でリスクを回避しよう

契約書の言葉一つで、いざという時に会社を守れるかどうかが決まります。
「面倒くさい」と後回しにせず、一度しっかりと修正しておけば、そのひな形はずっと使い続けることができます。

今すぐ、お手元の契約書データを「瑕疵」で検索してみてください。
もしヒットしたら、この記事を参考に修正を始めましょう。それが、会社を守る第一歩です。

📚 参考文献・リンク集

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